BENTI NENQAの世界〜エチオピアを旅してVol.8

いざ、鎌倉? ....BENTI NENQAバンティネンカへ!!


Bishar Fuguの視察の後は!いよいよBENTI NENQAバンティネンカ農園へ向かいました〜ALAKAから西へ30km程度...近い?いやいや...距離は距離ですが、赤土の山道ですので..
途中小さな町を2つ程通り過ごしましたが、民衆、山羊、牛、羊...で道は激しい状態で、マーケットもある為グジの人々の生活を垣間見て、更に西の奥地へ進みました。


一番高い標高で2,400m超の風光明美な場所も絶好のViewを横目に、前々夜の雨が路面を滑りやすくさせ、蛇行運転やスリップも続き、スリリングな場面もありました...
多分雨だったら断念しなければいけなかった〜でも今日は晴天!!*僕は晴れ男です(どうでも良い話ですが)〜luckyな道のりでした!!!


走る事2時間半位でしょうか...沢山のジンガと我々に手を振る子供達とそこに暮らす人達


いくつかの峠を越えてようやくBENTI NENQAに到着!!


ここか!!遂に秘境の地に辿り着きました。
扉の向こうにはスタッフ達がせっせとアフリカンベッドの製作に励んでいました。
多分100人はいました...自分らで木を切り、それを人力で運び、組み立てる。



原始的ですが、秘境ではこれが当たり前。ALAKAですら秘境ですからね〜
今年の増産体制に備え(ALAKAの新設備導入を見ればMETADの意気込みが十分伝わって来ます)、アフリカンベッドも去年の倍を作成中。確か去年は300台で、今年は600台以上を作っていました。

*アフリカンベッド...ナチュラル精製と呼ばれる非水洗で仕上げる香り豊かなコーヒーを生み出す為に使用するコーヒーを天日で完熟させる為の棚。中米、南米ではコンクリートを敷き詰めたコンクリートパティオで行う事も多いですが、ここはアフリカ!土の上に干す事は出来ませんので、アフリカで生まれた効率的な乾燥方法です。


BENTI NENQAはグジの西端でGEDEOと呼ばれるイルガチェフェYirgacheffeとの山を挟んだ境界の様な場所。もう一つのBUKU農園はALAKAの北西の方向ですので、BENTI NENQAの北(そうはいっても真っ直ぐ北上する様な道は無いのでBENTI NENQAから2時間程度掛かる距離)。結局BUKUは途中の道が悪すぎて行く事が出来ませんでした...



FWCFで扱わせて頂いているのはナチュラル。今、皆んなが作っているアフリカンベッドにここで採れたチェリーが全て埋め尽くし、BENTI NENQAの希少なマイクロクライメット(希少な気象状況)やエレベーション(標高;2,150m)何よりも秘境ならではテロワールがこの地のコーヒーチェリーの味わいの根源となっているのです。

ALAKAと異なり森というよりは、山でしょうかね...多分広大な敷地の為、収穫は困難でしょうし、日差しや天気の変動などは激しそうな気配を感じました。
朝晩の温度差、気象条件としては朝霧であったり、適度の雨(年間の降雨量は1,300〜1,700mm)恵まれた環境で育ったチェリーの味は本当に比類稀なテロワールだと思います。
エチオピアの品種は何か?と言われれば、このエチオピアこそがアラビカの原種であり、アビシニカ種とか呼ばれていますが、METAD的に言うと全ての苗(品種)がナンバー化されていて、BENTI NENQAには74110と74112(Ethiopian heirlooms)と呼ばれる苗が栽培されています。


残念ながらここでは真っ赤に完熟したチェリーを見る事は叶いませんでしたが、まだグリーンではありましたが艶のあるしっかりした身の付き具合で今季の収穫も超期待出来る感じの身の付き方でした。
本当に雨や日照時間、本当に赤く熟して行くまでは「何時か?」というのはなかなか読みにくいです。農作物ですので、人間の思う様には行かないのはもちろん承知ですが...やはり見たかったですね...

次回はこの増設されたベッド一面にチェリーが約3週間の時間を掛けて完熟させて仕上げて行く様を見てみたいモノです。
このベッドの上で育まれたコーヒー豆が今我々が唯一扱っているコーヒー豆なのです。


本当に感動でした(涙)

最盛期になるときっとこのサイトも200名ほど総動員して一気に収穫と精製を進め、仕上げ、そしてお祭りで今年の収穫はもとより一年で最高のどんちゃん騒ぎをして過ごす事でしょう〜彼らが歌を歌いながら、ベッドの上のチェリーを混ぜて、太陽の恵に偏りの無い様に手塩にかけて旨味を作り出してくれます。
彼らなしではあのBENTI NENQAのフレーバーは生まれて来ません!!


以前、FILM ABOUT COFFEE”フィルム・アバウト・コーヒー”というドキュメンタリー映画が公開され、我々コーヒー関係者のみならず一般のCOFFEE GEEKS達を魅了した映画ありました。我々も仙台、そして福島の映画館とタイアップしてイベントを開催しました。
その映画の中に沢山の人の「手」でコーヒーは繋がっている=どれだけ多くの人の手を伝わって一杯のコーヒーは作られるのか!!と上映中に思い知らされたモノです。

”一杯のコーヒーにはストーリーがあります” 


BENTI NENQAを召し上がる方は、きっとどんなところでこの豆は育まれて来たのだろうか?と考えて頂くと、エチオピアのシダマ州のグジ地区の西の外れの山奥で200名を超える人達で収穫され、アフリカンベッドで丁寧に完熟乾燥され....

そんなストーリーが思い浮かべれる様なコーヒー屋でいたい!と思いますし、是非これからももっと色々な事を伝えて行きたいと思っています

ウエットミルがALAKAにしかないのでウォッシュドに関してはALAKAで精製する事になります〜ナチュラルこそ、本物のBENTI NENQAと言える事でしょう!!


ちなみにBENTI NENQAの意味は??

アムハラ語(公用語)で言うとTinkur Ambessa ティンカ アンベッサと呼ばれ、オロモ語がBENTI NENQA 、英語で言うとVirgin Lion ”バージン・ライオン”!!
カッコ良いじゃありませんか〜

ユダのライオンLION OF JUDAH
エチオピアの最後の皇帝;ハイレセラシエ1世の話はVol.2で既に語って来ましたが、ラスタファリ運動のシンボルであり、エチオピアの国旗にも用いられた意味深いLION。
聖書の黙示録に記述がある様にLIONは非常に高貴な存在である様に奉られています。

Virgin Lion=Tinkur Ambessa=BENTI NENQA

名前にふさわしい、素晴らしいロットです。

是非、味わって見て下さい!!







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