ハワイコーヒー研修

もう既に1ヶ月ほど前の事になってしまいましたが...

日本から比較的近いコーヒー産地、アメリカ合衆国の唯一の産地(最近ではL.A.近郊でも試験的に始まっておりますが)、ハワイへのコーヒー研修へ行って来ました。
ハワイと言えばKONAコナコーヒーの産地としても有名です。ハワイ島の中西部に位置する産地はあまりにも有名で近年は病害虫の被害もあり、値段も高騰し、収量も比較的少ない為「高級コーヒー豆」として長年のファンの方には親しまれてはおりますが、近年のスペシャルティコーヒーの勢いの影で市場ではあまり見かけない事も多くなっています。
最近ではハワイ島のキラウエア火山の噴火などの影響もあり、その希少性から10年ほど前より脚光を浴びて来たもう一つのハワイ島の産地「KAUカウ」は近年のハワイコーヒーコンテストなどではコナを抑えて上位を占める優良な産地です。
FWCFではグリーンウェル農園(コナ)のコーヒー豆を毎年取り扱わせて頂いております。
そのグリーンウェル農園を始め、ハワイのコーヒー研究所HARCに長年勤務されている長井教授からもコーヒーに関する様々な講義を受けさせて頂き、本当に充実した日々を過ごして来ました。

コーヒー業界では必ず話題になるのが、「生産国」と「消費国」という言葉。

日本は代表的な「消費国」ですね。アメリカ、ヨーロッパ、オセアニア(NZなど)ではオーストラリアの一部と今回訪問したハワイ以外は、コーヒーベルトと呼ばれる「赤道付近」(北緯25度/南緯25度)がコーヒー産地ではありませんので、完全な「消費国」のグループです。逆に「赤道付近」の「生産国」でもブラジルを筆頭に中米、アジア圏内でも消費が加速化しており、コーヒー価格等に影響が見られています。SDGsの17の目標に関してもコーヒー産地は、その対象として我々コーヒー業者としては切なる課題でもありますし、そういった意味でもハワイは「消費地」であり、「生産地」であるポジションは非常に興味深い地域なのです。


今回はハワイの鉄板;オアフ島を先に訪れ、消費国としての側面とオアフ島のコーヒー農園も訪れてその生産性にも触れてみました。
先述した長井教授のいらっしゃるHARCもオアフ島にあり、様々な研究をされている素晴らしい研究施設でしたし、教授の今までの功績も人柄も素晴らしい(同じ日本人として”誇り”に思えます!!)事に感動しました。HARCではCBB(コーヒーベリーボーラー)の深刻な被害と対策について御教授頂きました。


ハワイと言えば、サトウキビのイメージがありましたが、驚く事にハワイでのサトウキビ生産は現在0(ZERO)なのです...現在はコーヒー栽培やその他農作物(フルーツや野菜等)に転化され、かつてのSuger Milはその姿を消してしまったのです。

オアフではGREEN WORLD COFFEE FARMとDole社(バナナで有名な)の運営するコーヒーファームとミルを見学させてもらい、Dole社のコーヒーファームでは今まで中米中心だったので見た事がなかったブラジルのコーヒー農園ではよく見かける「コーヒー収穫機」(トラックサイズの大型収穫マシーン)をLIVEで見れた事は素晴らしい体験でした。

そんなかつてのSuger Milはコーヒー精製所やレストラン、お土産屋さんへと姿を変え、時代は流れていました....コナのお洒落なビール工場&レストランバー( Brewery 地ビール醸造工場)は大人気のスポットでした〜


長井教授にも同行して頂き、ハワイ島へ移動〜いよいよコナコーヒーの世界へ!

コナはハワイ島では第2の都市(ヒロが最大;人口4万人)でその人口も1万人を超えます。僕はNZに住んでいたので、1万人??という感じではなく、逆に1万人もコナに住んでいるのか...と感じました。現在は日本との直行便もあり、凄く行きやすくなったと思えますし、今回滞在して本当に最高のパラダイスだった事は言うまでもありませんでした。


コーヒー農園も多数存在し、御存知!UCCコーヒーさんとドトールコーヒーさんのコーヒー農園があり、多くの観光客で賑わっていました。(僕の尊敬する”コーヒーハンター”川島さんの手掛けたUCCさんだけは訪問させて頂きました。凄く綺麗な観光農園で、てっぺんから見下ろせるのですが、圧巻のViewでした。)

グリーンウェル農園もその近場にあり、この地域はコナでも有数のコーヒー農園立地である事を伺い知れました。丘陵地で海に向かって農園は設計されていて本当に素晴らしかったです。

遂にグリーンウェル農園に辿り着きました。ハワイらしく日本人のスタッフも居て、皆んなフレンドリーでウェルカムコーヒー(試飲OK)も準備されていました。


農園にはウェットミルとドライミル、そしてナーサリーと呼ばれる苗の管理や肥料の製造等全てが凝縮されていて(もちろんファームも!!)、丁寧なレッスンを受けて本当に至福の時を過ごす事が出来ました。



最近は改善されて来ましたが先述したハワイのCBBと呼ばれる害虫被害の現状と対策等コーヒー農家の苦悩を痛感させられました。現在もその対策には非常に慎重で、CBBのプロフェッショナルもHARCでお会いさせて頂き(日本人の女性です!)、グリーンウェル農園でもCBBのプロフェッショナルが近隣の農家から持ち込まれたコーヒーチェリーを慎重にチェックしていました。基本ファームでは近隣の小農家からの買い付けも行っています。


そしてグリーンウェル農園の農園主;トミー(Tom Greenwel)さんとも長井教授のお陰で直接お話を聞く時間そして質問コーナー!も...じっくり話を聞く事が出来ました。フレンドリーでお茶目なトミーはお気に入りのバギーの荷台で腰掛けて...So Coolです。
本当に長井教授には感謝しかありません....



グリーンウェル農園には長井教授が生み出した「MAMO」と言う品種が生育しています。
マラゴジッペとモカ=MAMOなのです。3年ほど前に”コーヒーハンター”川島さんの運営するミ・カフェートさんで取り扱っていたので、コーヒーフェローズの大坂さんから味あわせて頂いた一回しか口にした事のない幻の品種なのです。
ここでもMAMOのママである長井教授に直接説明をして頂き、一緒に写真も撮っていただき感動、感動の連続でした。写真は現在5世代目のMAMOの木です〜デカイ!!


コナのコーヒー産業について色々話を聞いていく内に、素晴らしい話の連続だったのでこので御紹介しておきます。

コナには「HOSHIDANAホシダナ」という言葉があります。コーヒーをドライアウトするアフリカンベッドであり、パティオである「乾燥させる」ベッドの事をそう呼ぶそうなんです!!ハワイへ移住した日本人がいかに「コナコーヒー」の歴史に多く関わって来た証拠とも言える”事実”だったのです。


グリーンウェル農園の近くに日系人が今でも営む創業100年を超えるMANAGO(レストラン&ホテル*超お勧めです!!)あり、そこでランチを頂きました。日本の小鉢にも似たランチが来る前に何品かの前菜が用意され(このレストランでは普通のサービス)、それを料理が来る前に頂き、メインとライスが登場する〜そんな日本の古き良き食文化がクロスオーバーしていました。


これも感動でした....ハワイは日系人も多いですが、確実にアメリカ合衆国でありながらアメリカではない部分が多い!更にコーヒー産地だし...ハワイ島には本当に魅了されるところが多くてついついブログが止まらない....

最後にもう一つの産地;KAU(かう)についてです。

ハワイ島の大自然は写真ではなかなか伝わらないと思います。


KAUは島の南西部で去年まで溶岩が流れ出していた地域に近いコーヒー産地です。
この地区の自然はKONAとはまた別モノ〜とにかく溶岩性の土地にどんどん植物が生え出し、コーヒー土壌は火山灰台地が最も適していると言われているのですが、正に「見本」の様な大地の形成具合が目で確認していけます。今、溶岩台地である地域も数十年?いや多分100年規模かも知れませんが、きっと普通に草原になり、そこを開拓して放牧や農業も出来る様になるんだろうな〜と想像させてくれる自然がそこにありました。


コナから車で2時間半程度で目的地であるAIKANEアイカネ農園に到着。こちらは事前にオーナーと連絡を取って農園を見せてくれる事を快諾してくれたフィルPhilさんが暖かく迎えてくれました。どうやらこの地域は必ず午後になると雨が降る(気象条件が揃っている)ので、コーヒーの木を暑日差しから守るシェードツリーと呼ばれる高い木もなく、その気象条件の良さ(コーヒー栽培に適した気象条件)で立派なコーヒーチェリーが育っていました。”甘い”!!本当に素晴らしいチェリーでした。


カートで農園をぐるっと一周回って詳しく説明してくれたPhilさんには本当に感謝です。
ここでは計画的にカットバックする事の大切さも教えて頂き、半年前にカットバックしたコーヒーの木の驚くべき成長の豊かさに驚かされ、更にカウ地区の歴史についても奥様のメリルさんから詳しく100年を超える彼らの祖父から引き継がれる農園の歴史=カウコーヒーの歴史をも教えて頂きました。


カウからコナへ戻る海岸沿いの道で、ハワイ島の有名なSUN SETを見る事が出来て本当にHappyなハワイ島でのコーヒー研修を締め括りました。

日本人とコーヒー

ハワイ島でコナ&カウコーヒーのルーツと我々COFFEE GUYSが何故コーヒーに携わっているのか?の意義を強く感じさせられました〜 Mahalo,Big Island





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